お薬の一包化サービスは、複数の薬を服用している方々にとって、服薬管理を大幅に簡素化する便利な手段になっており、飲み忘れや誤薬を防ぐことができるようになると喜ばれています。
この記事ではでは、「一包化サービス」の概要や対象となる患者さま、手順、費用、さらには服薬管理の改善例について解説いたしますので、服薬に課題がある方の適切な服薬のためのヒントとして、ぜひご覧ください。
一包化サービスの概要と範囲
お薬の一包化とは、お薬を飲む時間が同じ複数の薬を1つの袋にまとめるサービスです。
例えば、朝食後に飲む3種類の薬を1つの袋に入れることで、朝の3種類のお薬のひとつを忘れたりすることが少なくなります。
この「一包化サービス」は、多くの調剤薬局で提供されており、患者さまの服薬をサポートする一般的な方法として浸透しています。
一包化の対象範囲は比較的広く、以下のようなケースが含まれます:
- 同じ医療機関の異なる診療科で処方された薬
- 異なる医療機関で処方された薬
ただし、すべての薬をそこ包化できるわけではありません。
例えば、湿気に弱い薬や光に敏感な薬は、個別に管理する必要がある場合がありますので、このような薬剤については、薬剤師が判断し、必要に応じて別途お渡しすることになります。
対象となる患者さまと薬
一包化サービスは、以下のような方に特におすすめです:
- 複数の薬を服用されている方法
- 高齢の方や手先の不自由な方
- 薬の管理に不安を感じている方
- 服薬の順番や時間を間違えやすい方
対象となる薬は主に内服薬(錠剤、カプセル、粉薬など)になります。
外用薬や吸入薬は通常、一包化の対象外となります。一包化することができないケースが多いです。
また、一包化に適さない特殊な薬剤(例:舌)下錠、一部の口腔内崩壊錠など)もありますので、詳細は薬剤師にご相談ください。
薬局で行う一包化の手順と注意点(参考)
一包化の手順は以下の通りです:
- 処方箋の確認:薬剤師が処方内容を確認し、一包化が可能かどうか判断します。
- 医師への一包化の確認(必要な場合):一包化に関して医師の指示が必要な場合は、薬局から処方医に確認を取ります。
- 薬剤の取り出しと仕分け:PTP包装(少量シート)から薬を取り出し、飲むごとに仕分けします。
- 分包機(一包化を行う機械)での包装:分包機を使用して、薬を1回分ずつ袋に包装します。
- 最終確認:薬剤師が内容を再度確認し、間違いがないかチェックします。
この過程には細心の注意を払っており、薬の数などにより異なりますが、通常10〜30分程度の時間がかかります。
のばら薬局では、即時対応しておりますが、待ち時間が長くなる傾向がありますので、お預かりして後日引取りに来られる方もいらっしゃいます。
一包化を行う際の注意点としては、以下が挙げられます:
- 使用期限の変化:一包化により薬の使用期限が短くなる場合があります。
これは薬が外に触れるためですが、処方された期間内に服用する分には問題はありません。 - 薬の識別:一包化すると個々の薬の識別が困難になるため、薬袋や、お薬手帳での管理が必要な場合もあります。
- 処方変更への対応:緊急処方変更があった場合、対応には時間がかかります。
ある薬だけを取り出したり、追加で薬を加えたりすることがあります。
一包化の費用
一包化サービスの費用は、保険の負担割合などにより異なります。
一包化の費用は、患者様の自己負担割合(1割、2割、3割)によって大きく異なります。
費用をご確認されたい方は、スタッフに概算の計算をご依頼ください。
一包化による服薬管理の改善例
一包化サービスを利用することで、以下のような改善が期待できます。
- 服薬忘れの減少:朝昼晩の薬が1つの袋にまとまっているため、ほとんどの方の飲み忘れが減っています。
- 誤薬の防止:薬の種類や量を間違えて飲むリスクが下がります。
特に多くの薬を飲んでいる方や高齢者にとっては、不安が大きく改善されています。 - 外出時携帯が簡単:必要な分だけ持ち歩くので、外出時も服薬管理が簡単になります。
かさばる薬の袋や箱を持ち歩く必要がなくなり便利になったとお声を頂いています。 - 高齢者や介護者の負担軽減:薬の仕分けや管理の手間が大幅に軽減されます。
特に介護サービスをご利用の場合など、服薬する薬が一袋にまとめられているので、介護者にとっても服薬管理の負担が軽減されます。
ただし、複数の利用者様が集まる介護サービス施設の場合は、一包化した袋ごと間違えるケースもありますので、一包化の袋に「お名前」や服用時点の表示「昼食後」などを印刷することも可能です。 - コンプライアンス(医師の指示通りに患者さんが処方薬を服用)の向上:服薬が簡単になることで、継続的な服薬が期待できます。
これは慢性疾患の管理において特に重要です。 - PTP包装シートの誤飲リスク軽減:薬をシートから取り出して一包化することで、誤ってシートごと飲んで誤飲リスクを軽減できます。
一包化サービスのご利用について
一包化サービスは、多くの患者様の服薬管理を支援する有効な手段です。
ご利用を検討してみてはいかがでしょうか。
- 薬剤師が患者様の状況を踏まえて、一包化の適否を判断し、最適な方法を提案してくれます。
- 全ての薬の情報提供:一包化を行う際は、現在服用している全ての薬の情報を薬剤師に伝えることが重要です。
他の医療機関で処方された薬との相互作用や重複も確認させて頂き問題がないかチェックさせて頂きます。 - 保管方法の確認:一包化した薬の保管方法について、薬剤師の指示に従いましょう。
一般的には、屋外日光や湿気を避け、涼しい場所で保管をお願いします。 - 定期的な見直し:一包化を始めた後も、定期的に薬剤師と相談し、服薬状況や体調の変化について状況の報告をお願いします。
必要に応じて一包化の内容を見直すことで、より効果的な服薬管理が可能になります。 - お薬手帳の活用:一包化を行っても、お薬手帳の管理は継続しましょう。
のばら薬局では、一包化していることがわかるようにお薬手帳に記載を行っております。
お薬手帳は、複数の医療機関での処方状況を把握し、緊急時に服用中の薬を確認したりする際に重要な役割を果たします。
一包化サービスは、服薬管理を簡単にし、正しく服薬するためのサポートのひとつとなります。
特に多くの薬を飲んでいる方や、薬の管理に不安を感じている方のために、正しく服薬できる可能性のある便利なサービスです。
ご自身の状況に合わせて、薬剤師とよく相談しながら、最適な薬剤管理方法を見つけていきましょう。